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ロシアによるウクライナ侵攻を受けて
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いており、毎日のように、大変痛ましいニュースが流れています。そして、同じような状況が75年前の沖縄にもありました。
私が幼い頃、曾祖母からよく戦時中の話しを聞いていました。
曾祖父は兵隊として戦死したこと、どこでなくなったのかもわからないことなどです。特に私の記憶に残っているのは、戦時中のある日、幼かった私の祖父がおなかを壊したときの話です。おなかを壊したときに与える薬草が離島に自生しているらしいのですが、曾祖母は、その薬草を祖父に与えるため、祖父を背負ったまま夜中の海を1時間くらいかけて泳いで渡ったのだそうです。その薬草が効いて、祖父は一命を取り留めました。
ウクライナでおきている出来事を目の当たりにする度、幼い頃に聞いた曾祖母の話をより具体的に想像するようになりました。今では考えられないような厳しい状況の中で、生きることを決して諦めず、命をつないでくれた先祖のおかげで今があることを実感します。
ちょうど今週末、沖縄は本土復帰50年を迎えます。先祖からもらったバトンを次の世代へ、より良いかたちでつないでいくために何ができるのか、考える機会が与えられているのではないでしょうか。
文責 弁護士 伊佐香菜子