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明るい未来実現のために

国内で最初のコロナ患者が発生してからから、3年目に突入しました。ですが沖縄ではいまだ蔓延防止措置が継続中で、世界を見渡しても、パンデミックはまだまだ終わりそうにありません。

この間、世界では富の偏在がかつてないほど進み、今では世界上位1パーセントの超富裕層が、世界全体の個人資産の37.8パーセントを所有するまでになったそうです。

他方、図らずもこの数年で社会は少なくとも数年間ワープして進み、様々な場面で大幅な見直しを要する事態に直面したことで、日本にとっては、沈みゆくジリ貧状態から脱するべく社会をガラガラポン出来る、「最後のチャンス」が到来しているように思います。

パンデミックの前から、日本では、次のような深刻な問題がすでに浮き彫りになっていたと指摘されています。

① 子供の相対的貧困率がOECD平均を上回り、ひとり親家庭のそれは50%超(2015)

② 生産年齢人口は、2005年の8500万人から現在は7500万人にまで減少し、2040年には6000万人を割るといわれているにもかかわらず、若年無業者である「ニート」は2020年時点で87万人と過去最高値を更新

③ 芸術や社会問題に関心が高く、起業家精神を持ち、異なる意見にも寛容な人材(クリティカルシンキングを備える人材)を育成するのに有効な手段の一つが海外留学であるといわれているが、アジア諸国に比べて、日本人の留学生人口は伸び悩み

⑤ 低賃金が何十年も続き、非正規雇用は昭和59年の15.3%から、平成29年には37%超まで上昇

⑥ 日本企業の世界におけるプレゼンスの圧倒的な低下

⑦ アカウンタビリティがなく、利益誘導型で腐敗した政治

そして、このようなことが続く中、私たちの社会は、自信と活力を完全に喪失してしまったように思います。そこに、新型コロナウイルスの直撃です。

では、どうやったら、国民が自信を、日本社会が活力を、いま一度取り戻すことが出来るでしょうか。降ってわいた「最後のチャンス」に、どんな手を打つべきでしょうか。完全なる個人的見解ですが、例えば、こんなことが必要であると考えています。

① 思い切った社会変革

a.  DXの推進と既得権益の抜本的な見直しで、利権構造にある業態、必ずしも必要といえない業務が仕事として成り立っている実態にメスを入れる。そうすることで、労働力は真に必要な場所に否応なく振り分けられ、社会の活力が増す。

b.  経済成長率を上げないと賃金は上がらないため、あらゆる業界でイノベーションを追求せざるを得ない環境を後押しする。

c.  同時に、労働法制を見直して雇用流動性を高めるとともに、セーフティネットとしてのベーシックインカムを導入する。生活保護の網から漏れている多くの弱者の救済、低所得層への再分配など、メリットは大きい。

② 教育の再構築

a. 英語の第二公用語化。ボーダレス化が進む今後、日本人の誰もが、ストレスなく必要十分な英語を使いこなせる社会を実現するには、英語を公用語化する以外にないように思う。

b. 受験改革により、暗記・詰め込み型教育から学生を解放する。問題を与えて回答させるのではなく、自ら考え、問題を設定して解決し、また問題を設定するといった能力を身に着けさせる必要がある。

c. 自力で未来を切り開く力を涵養し、世界中どこにおいても自分らしさを発揮して生き生きした人生を送ることができる力を育む。

 

全く網羅的ではない思い付きですが、コロナをチャンスに、未来の日本のために、今こそ社会が大きく変革することを切望しています。AKは、こういった取り組みにも貢献していきたいと考えています。                                弁護士 天 方  徹